アレルギーのことを総体的に学ぶ講座「アレルギー大学」を受講しました
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皆さんは「アレルギー大学」という言葉を聞いたことはあるでしょうか? これはNPO法人のアレルギー支援ネットワークが毎年各地で開いてくださる学びの場です。 実際にある大学の名前ではないのでご注意ください。 毎年講座の開催は5月~11月ごろ。 開催場所は愛知・静岡・三重・岐阜・千葉・新潟・京都・沖縄のようです。 アレルギーの医学的な仕組みを勉強したり、アレルゲンを使わない調理実習があったり、講座はさまざまです。 何年も前から気にはなっていたのですが、去年は結局行くことができず、 今年初めて「アレルギー大学基礎講座」を受けることができましたので、 私自身の備忘録もふまえて、どんな感じだったかを伝えたいと思います。 なお、授業の内容を詳しくお伝えすることはできないので、先生方から聞いた話で私自身が思ったことや気をつけていこうと改めて感じたことなどのまとめとなりますので、予めご了承ください。 まず、アレルギー大学の講座は種類が豊富で、私が受講した「基礎」の他に「ベーシックプログラム」「初級」「中級」「上級」「研究・実践」があります。 「基礎」か「ベーシックプログラム」を受けた後、じょじょに級を上げて受講していき、アレルギーの知識を身につけるというものです。 私が受けた基礎講座は、丸1日で4限の授業を受ける形でした。 1限(9:30~11:00) アレルギーの基礎 小児科医からアレルギーという病気について学ぶ。 2限(11:10~12:40) 食育とアレルギー 保育士を育成する大学教員から食育について学ぶ。 3限(13:30~15:00) 加工食品の表示とアレルギー表示 講師の先生が市販の食品の表示について教えてくれる。 4限(15:10~16:40) アレルゲンの基本 大学教授がアレルギーについて教えてくれる。 上記のような内容でした。 本当に丸1日いすに座りっぱなし、何年かぶりの勉強でへとへとに疲れて帰ってきた私です。 ちなみに、上記の時間割は場所や講座によって異なるかもしれないので、くわしくはアレルギー支援ネットワークのサイトを見てくださいね。 受講者は病院で働く看護師さん、栄養士さんが多くいらっしゃったように見受けました。 私のように子どもがアレっ子なので受講したという方も少なくないと思います。 アレルギーが起こる仕組みを大変わかりやすく説明してくださいました。 アレルギーとは過剰な免疫反応で、アレルゲンが体内に入るとIgE抗体が作られる。 アレルギーの分類や、タンパク質について学びます。 私の場合、息子が食物アレルギーなので、アレルギーについての本を過去に何冊も読みました。 なので、用語はなんとなく頭に入っていました。 でも、1人で本を読むのと、小児科の先生にきちんと説明してもらうのとでは全然ちがいますね。 本を読んだ時、難しい説明文はなんとなくスルーしていましたが、この授業のおかげでアレルギーの仕組みが本当によくわかりました。 備忘録として先生から教えてもらったことをメモろうと思います。 T細胞がTh1細胞に多く変化することで、免疫が働きアレルギー反応が起きにくくなる。アレルギー児はT細胞がTh2細胞に成長してしまう。 アレっ子もT細胞がTh2細胞に成長すればアレルギー反応が少なくなるとのことです。 ではTh2細胞にはどうやったら変化するのか? それには細菌感染、ウィルス感染が肝なんだとか。 つまり、日頃から菌に接触することで、強い体になるということでしょうね。 現在ではいろいろな病気に対してワクチンができちゃってるんで、ウィルス感染も減ってます。 しかし、大きな病気のワクチンを打つなとは言えませんよね。重傷化しても嫌ですし。 そこで、気軽にできる解決策 土遊びに関しては赤ちゃんのうちからさせてもOK。 できるだけ早く、しかも1度や2度ではなく定期的に、が大事です。 息子は5歳にして指しゃぶりをするのですが、それも制止せず多少汚い手でも指しゃぶりさせちゃお~と思いました。 誤食などで強いアレルギー反応を繰り返すことは悪循環。 IgE抗体が増えてしまい、アレルギー反応が強くなってしまう。 アレルゲンが体内に入るとIgE抗体が作られてしまうのですが、症状が出ない量を食べるのは有効ですが、全身じんましんや咳が出るほど食べてしまうのはその後のアレルギー反応を強めてしまうので、よくないらしいです。 食育という観点からアレっ子との向き合い方を考えさせてくれます。 脳を育てるには、五感を使うといい。五感を使うために保育園で給食前の味見を推奨している。 食べる時というのは、見て(視覚)匂って(嗅覚)食べて(味覚触覚)味の感想を聞いて(聴覚)、つまり五感のすべてを使っているということ。 脳を育てるいいきっかけなんだとか。 味見終えた後、「おいしい?」と聞くのではなく、「どう?」とか「口に入れるとどんな感じ?」など、答えの幅が広がるように聞くと語彙力が増えるようです。 嫌いな食べ物でもプラス情報を紐付けすることで食べられるようになる。 食べている時というのは本能で身の安全を守るため、自分に有害なものを識別する ため、今までの記憶を呼び起こしているそうです。 怒られて食べたとか、無理に食べさせられたとか、食べたら気持ち悪くなったというマイナス情報が呼び起こされると食べられないままなので、笑顔で食べたとか何回も食べたことがあるという記憶を増やすと食べられるようになるそうです。 うちの子どもも食が細くて、いつも残されて怒りがちですが、笑顔で楽しく食べるようにしなくては!と思いました。 あとアレっ子を持つお母さんが気をつけないといけないのは、アレルゲンに対してむやみに「食べたら危険」とか「食べたらだめよ」を繰り返すのはよくないらしいです。 アレルギーがよくなって食べられるようになった時に「危険」「食べたらだめ」という記憶が呼び起こされ食べられる物も食べられなくなりますからね。 でもある程度は食べたらだめと言わないと誤食につながりますから、バランスが難しいですね。 食事を済ませてからおなかがすくまでの時間は3.5~4時間。 食べ始めて満腹を感じるまでの時間は30分。 食欲を満たすまでの食べ物の量はたった3グラム。 つまり、食事を済ませて3.5~4時間経つとおなかがすくので、それまでに食事をとらない場合はおやつが必要。 でも3グラムの食べ物で食欲は満たされるので、おやつの食べ過ぎは食事を残す原因になる。 食事が始まったらおいしく食べられる時間はたったの30分なので、30以上かかる子どもは食べたくなくなるということです。 まさにうちの子!! おやつの時間・量の見直しと、食事を30分以内に食べることを心がけようと思いました。 家庭でできる食育は 確かに保育園で栽培している野菜はよく食べる! お手伝いもよけいに時間がかかっちゃうし・・・とちょっと避けてしまいがちですが、 確かに自分で作ったものは1口でも食べてみようとしますよね! 改めて食育の重要性を感じた1コマでした。 食品表示について、新表示と旧表示のちがいや食品表示の読み方を学びます。 2015年4月から食品表示法が新しくなったが、現在は旧表示法で表記している企業もあり、2種類の表示方法が混在している。 2020年3月31日製造分までが旧表示法でもよいとされているので、3月31日製造分の賞味期限が切れる2022年頃から新表示法で統一される見通し。 さらに、まったく知らなくて本当に驚いたのですが、旧表示法ではアレルゲンが含まれることが連想できる場合は表示は不要なんだとか。 例えばマヨネーズは卵からできているとわかるので、マヨネーズと書けばよし。 マヨネーズ(卵を含む)と書かなくてもよいということです。 勉強してみると、旧表示法はわかりにくい! 早く表示の仕方が統一される日が来るといいのに!と思います。 さらに、よくパン屋さんなどでは、包装されていないパンだからか成分表示がされていませんよね。 それは店頭販売や対面販売の場合は、表示の義務がないからです。 対面販売だから聞けばよいということだと思うのですが、私の経験上販売員と製造員が違う手前、尋ねても明確に返ってこないことが多いです。 この授業を受けて思ったことは、今まで成分表を見て問題なく食べられていましたが、表示だけじゃわからないアレルゲンが実は隠れていたりするってことです。 こわっ!! アレっ子を持つ親にとってはただ事じゃないし、怖いですね。 この授業では1限で習ったアレルギーについてより詳しく、専門的に学ぶ場です。 化学式なんかが登場して、がっつり文系の私にはよく理解できない箇所もありましたが、興味深いところをメモしたいと思います。 えごま油や魚油などn-3系の油は炎症を抑制するので、アレルギー児にはよい。 植物油に多いn-6系の油は炎症を促進する。 つまりアレっ子は魚を食べるといいということですね。 確かにどの本にも油の摂り方の重要性は書かれていました。 この授業では、油は酸化するので ということも教えてもらいました。 やっぱり和食一番ということを改めて感じました。 魚油も摂れるし、納豆や味噌汁で発酵食品も摂れる。 ( 私が洋食から和食にかえたきっかけの記事がこちらです。) 抗体は胎盤や母乳を通して赤ちゃんの中に引き継がれる 要はお母さんが食べたものは胎盤や母乳で赤ちゃんの中に入り、おなかの中にいる時から「これは食べても安心だよー」と信号を送っているようなもの。 だからお母さんは妊娠中からいろんな物を食べて、偏食しないようにしないといけないんですね。 では妊娠中に「これは安心」と信号を送っていたのに、なぜ生まれてから食物アレルギーになり食べられなくなるのか・・・。 それは胎盤・母乳ではないところから体内に入ってしまうからです。 つまり、赤ちゃんの肌状態がひどいとバリア機能を失い、肌から入ってしまう。 食物アレルギーの病院にかかると、よく言われるのが、「保湿を十分にして肌の状態をいい状態で保つとアレルギーもよくなるよ」ということです。 今まではなぜ???と疑問でしたが、お肌の状態がいいとバリア機能が働いて、アレルゲンから体内に入らないということですね。 アレルギー大学の授業は、一部難しいものもあるが、知識が身につき、とてもいいものだった。 アレっ子の保護者さんや看護師・栄養士さんにもおすすめしたいが、現在妊娠を考えているプレママさんにもおすすめしたい! 私自身授業を聞いていて、妊娠中にその情報があったらな~と思うことがありました。 アレルギーは現代病です。 (アレルギーとは食物アレルギーの他に、花粉症・喘息・アレルギー性鼻炎・アトピー性皮膚炎・アレルギー性結膜炎などの総称です) 親が花粉症であるなら、生まれてくる子どももアレルギーであることが多いです。 そして、現代では花粉症を発症していない人より発症している人の方が多いような気がしますよね。 妊娠中または妊娠前から正しいアレルギーの情報を得て、出産後・子育て期に役立てることが大切ではないでしょうか。 アレルギーの医学的な仕組みや調理実習まで色んな講座が受けられるアレルギー大学
アレルギー大学基礎講座とは・・・
1限「アレルギーの基礎」
2限「食育とアレルギー」
3限「加工食品の表示とアレルギー表示」
4限「アレルゲンの基本」
まとめ