夜尿症!?ただのおねしょ!?ちがいや注意事項、治し方のまとめ
夜尿症とおねしょのちがい。夜尿症って病気なの?
地元で夜尿症について研究しているお医者さまの講演会に行ってきました。
食物アレルギーの5歳の息子は3か月ほど前からおねしょがひどくなってきて、最初は毎日、その後少し改善してそれでも1回ほどおねしょをします。
(息子と私のおねしょ奮闘記はこちらから。)
布団の始末や洗濯物も増えるし親としてはイライラしちゃいますよね?
怒るのは厳禁だそうです・・・。
わかってはいるのですが、つい「なんでおしっこでちゃったの!?」なんて強く言ってしまいます・・・。
怒られると子供は自尊心が低下し、心は傷つきます。
そうすると子供はどんどん自信をなくしていき、またおねしょの悪循環になってしまいます。
まず夜尿症とおねしょのちがいはなにか、それは年齢と回数のようです。
夜尿症診療ガイドラインによる夜尿症の定義は以下のとおりです。
-
5歳以上なのにおねしょする
-
おねしょの回数が月1回以上で、3か月続く
5歳以上で月1回以上3か月続くおねしょは夜尿症ということになります。
これを見ると、月1回のおねしょってけっこうあるぞ・・・と思っちゃいますね。
これを見て不安になるお母さんもいらっしゃるかもしれませんが、夜尿症は5歳で5人に1人(約20%)、小学生でも10%程度、中学生で5%、高校生で3%ほどいるらしいです。
心配しないでください!けっこういます。
なかでも、女の子より男の子のほうが多いんだとか。
夜尿症の原因は?治るの?
原因はいろいろありそうです。
- 遺伝 なんと患児の両親46%が自分も夜尿症だったとか
- 膀胱の容量と尿量のバランスが悪い
- ホルモンの分泌 抗利尿ホルモン(睡眠時に分泌されるおしっこを減らすホルモン)の夜の分泌が悪い
- ストレス
- 眠りが深いなど睡眠の質
一般的な子供は夜の尿は少なくなるのに対し、膀胱の容量は大きくなります。
このバランスがくずれるのが夜尿症です。
おねしょは親としても相当なストレスとなりますが、おねしょ予防のために夜中に起こしてトイレに行った方がいいのか!?
答えは否!
一昔前は起こして夜中にトイレに行かせろ!と堂々と育児書に書いてありましたが、最近は夜中に起こさない。
夜中に起こしてしまうと抗利尿ホルモン(おしっこを減らすホルモン)の分泌がよけいに悪くなるためです。
途中で起こしておしっこをさせるわけですから、朝起きた時のおねしょはなくなります。
一度は治ったように思ってしまいますが、問題が解決したわけではないようです。
あせらず、怒らず、起こさず、比べない、褒める
が夜尿症を直すキーワード。
そんなこと言われても、毎日おねしょするのに何を褒めるの?と思いますよね。
褒めるポイントは
- おねしょをしなかった日
- シーツがぬれるほどおねしょをしていたが、シーツがぬれるほどではなかった(尿の量が減ったり、途中でおしっこをとめてがまんしたということです)
- 夜間に目が覚めた
- 真夜中ではなく朝方におしっこが出た(がまんできる時間が長くなったということです)
うちの息子も、このような方法を試みた結果、おねしょの回数はだいぶ減りました。
おねしょ改善のためにした改善策は前回の記事にまとめております。
ここまでを読んで「うちの子も夜尿症かも?」と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなに心配しなくても1割は自然治癒するらしいです。
では自然に治らなかった場合は!?
夜尿症の治療法とは!?治療はいつから?
まず自然に治らなかった場合、10歳までに治療を始めると治りが早いらしいです。
8~9歳までに治らなかったら医療機関の受診を考えるといいかもしれませんね。
治療に行く?行かない?めやすは・・・
年齢 | おねしょに加え 昼間におしっこやうんちをもらす |
おねしょのみ【ほぼ毎晩】 | おねしょのみ【数回/週】 |
---|---|---|---|
5-6歳 | 医療機関を受診 | 生活習慣の見直し | 生活習慣の見直し |
小学校1-2年 | 医療機関を受診 | 医療機関を受診 | 生活習慣の見直し |
小学校 3年以上 |
医療機関を受診 | 医療機関を受診 | 医療機関を受診 |
私が話を聞いた医師によると、治療をすると2倍3倍のはやさで治るそうです。
お母さんも一人で悩まず、子供が小学生のうちに気軽に医師に相談しましょう。
本人が中学生になってしまうと、通院したくても本人が恥ずかしがったり嫌がったりするでしょうからね。
なんせ医師とするのはおしっこの話ですし、尿の量をはかったりしますからね。
思春期の子供たちにはつらいでしょうね。
そして、気をつけなければいけないのは、学校でキャンプなどの宿泊行事がある場合です。
行事直前に焦って病院へ行っても医者は困るようです。
投薬などの治療には1年、2年かかるようですので、宿泊行事が決まったら何年も前に一度医者に相談しましょう。
宿泊行事での夜尿対策
宿泊行事中は引率者にも相談し、下記のような対策をとりましょう。
- 夕食時と夕食後の水分摂取量をコップ1杯以下にする
- 寝る前にトイレに行き、引率者に依頼して夜中に起こしてトイレに行かせる
- 万が一おねしょをしてしまった時にめだたないように黒・紺のパジャマを持たせる
- 市販のおねしょパンツを利用する
- 引率者への協力を依頼する
しかし、大切なのは宿泊行事の前から下のような生活改善をはかることです。
夜尿症の治療① 生活習慣・生活改善
夜尿を減らすための生活改善ポイント
- 規則正しい生活をするー夜更かしや不規則な生活は厳禁。
- 夕食以降の水分量を減らすー夕食を早めにとり、夕食から寝るまでの間隔は2~3時間あける。ジュースやフルーツも食べ過ぎ注意。
- 塩分を控えるー塩分をとりすぎるとのどが渇き水分のとりすぎにつながる。
- 便秘に気をつけるー便秘だと腸が膀胱を圧迫しおねしょの原因になる。
- 寝る前にトイレに行くートイレに行ってから寝る習慣をつけましょう。
- 寝ているとき冷えていないかー冷えは尿量を増加させ膀胱の収縮になります。
- 夜中無理にトイレに起こさないー一時的におねしょはなくなるが、解決には至っていない。宿泊行事の時の緊急手段としては有効。
確かに夕食時から就寝までに水分を摂りすぎると寝ている間にでちゃいますよね。
水やお茶を飲んでいなくても、水分量たっぷりなフルーツやアイスもアウトだそうですよ。
医師のおすすめする食べ物は
- 野菜
- 魚
- ドライフルーツ
- 卵
だそうです。なるほど便秘の解消にもいいし、水分も少なめということですね。
寝る何時間前までに水分をとればいいかというと、3時間で8割おしっことしてでることを考慮すると、寝る2時間前は水分をとらない方がいいようです。
どうしても水分をとりたくなったら氷をなめるだけでも効果があるようです。
夜尿症の治療② 薬物療法について
夜尿症のお薬にはいくつか種類があります。
- 抗利尿ホルモン薬ー尿量や水分を調節するホルモンと同じ作用で尿を濃縮して量を減らす
- 抗コリン薬ー膀胱の緊張をとって収縮をおさえる。尿をためやすくする。
- 三環系抗うつ薬ー上記2種類の薬の効果が不十分の場合使われる。
- 漢方薬など
薬を水で飲むと水分摂取量が多くなってしまうので、お水なしでとけるなど工夫がされているようです。
夜尿症の治療③ アラーム療法
寝る前に子供のパンツに小さなセンサーをつけ、おねしょでパンツがぬれるとアラームが鳴るという仕組みです。
これを続けていくうちに睡眠中の膀胱容量が増え、たくさん尿がためられるようになります。
アラーム療法のやり方
- センサーの先端をパンツが最初にぬれそうな場所にはさむ。
- 本体(受信機)を上半身につける。
- アラームが鳴ったら起きて自分でアラームを止める。
- 起きてトイレに行ったり、自分でアラームを止めたら眠ってもよい。
アラーム療法は少なくとも6週間は続けなくてはいけません。
1か月程度では効果が出ないこともあり、平均的に3か月ほど毎晩装着することになります。
まとめ
夜尿症は治療をすればだいたい7割最初で治ると講演会でお医者さまがおっしゃっていました。
1年、2年継続して治療すればさらに治る率が高くなるそうです。
大事なのは、親御さんだけで悩んでいないで病院に相談すること。
医師によって見解もちがうだろうから、夜尿症を研究している医者にかかることをおすすめします。
夜尿症を放っておくと、大人になってからも尿漏れや尿トラブルがついてくるんだとか。
あまり心配することが続くようなら、子供が思春期をむかえる前に一度病院に相談に行ってみましょう。